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2022/01/21Designer's Interview

20年の実績が生み出す「直感的に理解できる」映像

EDP graphic worksのデザイナーに迫っていく企画「Designer’s Interview」の第一弾は、創業当時から参加している副社長兼ディレクターの池田 大にインタビューをしました。ブランドムービーやVFX、商品の紹介映像など幅広い領域で、クライアントの要望を的確に捉えた企画・提案をするディレクターとして大切にしていることを語ります。

池田 大(いけだ まさる)

President / Director


2002年からEDP graphic works に参加。TVドラマタイトルバック、VFX、など様々な映像表現の経験を生かし、抽象的なブランディング映像からストーリーのあるアニメーションまで多彩なモーショングラフィック演出を得意とする。

EDP

ーEDP入社までの経緯を教えていただけますか?


EDP graphic works 池田 大(以下、池田)

就職を考え始めた時期はちょうどバブル崩壊後の就職氷河期で、手に職をつけた方がいいと考えていました。カリスマ美容師などが初めて注目されだした頃でしたね。

大学では経済を学んでいましたが、CGやデザインにも興味があり、PCと3DCGソフトを買って独学で触ってみたりしていました。昔見た映画「ターミネータ2」を見てCGを作りたいと思い、大学卒業後CGを学ぶためのスクールに通いました。


ーそうだったんですね。EDPのことを知ったきっかけはなんでしたか?


池田

当時EDPはまだ法人化される前だったんですけど、通っていたスクールにEDPから番組タイトルを手がけるプロジェクト人員募集の案内が来ていて、それに参加したのが最初のきっかけですね。そこから面白い作品をいくつも手がけているEDPに興味をもち、スクールを卒業してからEDPに参加しました。


ーEDPに入ってからおおよそ20年になるんですね。その当時と現在で比較して変わったところはありますか?


池田

起業したばかりの頃に比べて技術が進歩したので、機材のスペックが今とは全然違いますね。それに伴って様々な企業とお仕事をさせていただくようになりました。クオリティの高いかっこいい映像を作るというマインドは、当時から変わっていないです。


ー以前池田さんがディレクターとして参加された「Urban Abstract」も、クオリティが評価されてカンヌ国際広告祭(現:カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル)でゴールドを受賞してますよね。


池田

そうですね。自分としても気に入っている作品ですし、何よりもデザインとして評価してもらえたので印象に残ってます。

「Urban Abstract」は、イギリスのチャンネル4という公共テレビ局で使用される複数のバンパー映像(CM入りとCM明けに流される映像)を組み合わせて、1本の映像にしたものです。バンパー映像としても見ても完成度が高くできましたし、1本の映像として見ても繋がりがあるのが特徴ですね。

Urban Abstract

ーディテールのデザインから、全体の繋がりまで作っているんですね。EDPに入った時からそういったことはされていたんですか?


池田

入ったばかりの時は、プロジェクトで与えられた役割をこなすということに必死でしたね。あるプロジェクトでクライアントにデザインを提案した際にも、企画書を見てもらうことに精一杯で、プロデューサーやディレクターの方の話している内容がわからなくなってしまったこともありました。今振り返ると、目の前のデザインについて突き詰めて考えているだけで、プロジェクトの全体像を全然把握できていなかったんです。

その後色々なプロジェクトに参加させてもらうにつれてノウハウも蓄積され、今はプロジェクトを俯瞰して見ることができるようになったと思います。結果、映像を作る意図を踏まえて、より的確な提案ができるようになりました。

ープロジェクトを進める上で、どのようなことを意識していますか?


池田

最初のヒアリングで、担当の方が映像について想定している内容のレベルを確認するようにしています。使用場所だけ決まっていて具体的な完成イメージがない状態で依頼される事もあるので、そういった場合には映像を流す場所や目的について丁寧にヒアリングして、相手の言語化できていない潜在的な課題やゴールを理解するようにしています。デザインだけでなく、映像の目的やコンセプトを含めた提案ができると、クライアントも納得した上で映像を作ることができると思います。

以前、株式会社Aikomiさんの映像の作成を担当させていただいたんですが、相談をいただいた時点では「プロジェクトへの賛同者を増やしたい」という目的以外はほとんど決まっていなかったんです。そのためまずは映像を見てもらうことでプロジェクトに興味を持ってもらい、その後担当者から詳しい内容の説明をするという導線を提案しました。プロジェクトについて説明した資料があったので、それらの情報に時間軸を加えインフォグラフィックスで表現する事もできましたが、興味を持ってもらうためにはコンセプトや思想に共感してもらうことが大切と考え、ストーリー性のある映像にしました。


ーモーショングラフィックデザインだからこそ柔軟な提案ができたんですね。


池田

そうですね。モーショングラフィックデザインだと、説明的になってしまいがちな難しい内容を直感的に理解できるように表現したり、共感してもらえるようにストーリー仕立てにできるので、うまくフィットした例かなと思います。

EDPのサービスムービーでも、モーショングラフィックデザインの良さを発揮できているなと思っていて。映像を作ったことがない方でも直感的に理解できるよう、モーショングラフィックデザインがどんな場面で活用できるか、それによってどんな効果が得られるかを簡潔に表現しています。

ー今後どういった映像を作っていきたいと考えていますか?


池田

担当した映像が長く使っていただけると、モチベーションにも繋がるのでそういった映像を作っていきたいですね。10年程前に作ったある企業のC.I.(コーポレート・アイデンティティ)は、現在もブラッシュアップをしながら使ってもらえているんですけど、そういったことができるのはきっとモーショングラフィックならではですよね。長く使ってもらうためには、クオリティはもちろん人の心に残る事も大切なので、そういった映像を作っていければと思っています。

EDP graphic worksは20年以上モーショングラフィックデザインだけをやってきている珍しいスタジオだと思っています。今後はモーショングラフィックデザインを軸に、組織・チームとしても広がりや変化を続け、その過程を楽しんでいければと考えています。

モーショングラフィックデザインは難しい内容をわかりやすく伝えたり、内容にストーリー性を持たせて見る人に共感を促すことができます。20年以上モーショングラフィックデザインを作り続け培った、弊社ディレクター池田のヒアリング力と企画力が、幅広い提案のベースになっています。長く人の心に残り使い続けられる映像を、EDP graphic worksと一緒に作りませんか。

Interviewee  池田 大 (EDP graphic works Co.,Ltd.)

Photo     谷口 大輔

Text     大野 泰輝 、柴田 綾乃 (EDP graphic works Co.,Ltd.)