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2022/04/28Designer's Interview

楽しんでものづくりをすることが、共創に繋がる

EDP graphic worksのデザイナーに迫る企画「Designer’s Interview」の第三弾は、ドラマオープニングやミュージックビデオ、商品PRなど多岐にわたって活躍するディレクター、奥田 祥生にインタビューを行いました。EDPでの働き方や、ものづくりで心がけていることを語ります。

奥田 祥生(おくだ しょうい)

Director / Motion Graphic Designer


1993年静岡県生まれ。大学では細胞生物学を専攻し、2017年に入社。TVドラマのタイトルバックやTVCMを中心に、MVやwebムービーなどの映像演出を手掛ける。モーショングラフィックデザインだけでなくVFXや3DCGなども取り入れながら、エディットやグレーディング、時には撮影まで、多岐にわたり活動している。近年では「ドラマ村井の恋 オープニング/エンディング 」、「裏通りのドンダバダ プロモーションムービー」、「Laundry / 神山羊 MV」などを手掛ける。

ー映像に興味をもったきっかけはなんですか?


EDP graphic works 奥田 祥生(以下、奥田)

小さい頃から何にでも興味をもつような子供でした。家庭で撮るようなビデオや、祖父が仕事で使っていたカメラに興味を持ったのが最初のきっかけかもしれないです。学生時代は友達同士、デジカメで面白い映像を取れないかと遊んでいたこともありました。今でもよく、気分転換にカメラを持って遠出することがあります。


ー「趣味」を「仕事」へ転換したのはいつ頃ですか?


奥田

就職活動では、大学で学んだことを生かそうと食品メーカーの企業を見ていましたが、一生続ける仕事として考えた時に、自分が本当に楽しんでやれるかどうか自信がありませんでした。趣味で続けていた映像関係の仕事なら自分のやりたいことに近いのではないかと思い、志望業界を変えました。EDPはその時に受けていた企業の中の1つです。

ー少し変わった入社の仕方をされたと伺っているのですが、どんな経緯でしたか?


奥田

僕が就職活動をしていた頃のEDPでは、モーショングラフィックデザイナーとして美大の卒業生や実務経験のある人を募集していたので、未経験でもエントリーできるクリエイティブマネージャーに応募しました。クリエイティブマネージャーは制作進行のような役割の職種です。

映像関係の企業を受け始めた時は、映像を作るにあたってどんな役割があるのか詳しくはわからないまま、ぼんやりと「映像に関わる仕事がしたい」と思っていました。しかし面接を重ねるにつれ、「映像のトーンや方向性を決める人になりたい」と考えるようになりました。EDPの面接の時、当時の社長はそれを聞き、「ディレクターになりたいのではないか?」と言ってくれて、僕も、EDPでならやりたいことができると思い入社を決めました。入社後は、ディレクターを目指して様々な撮影現場に同行し、色々な経験をさせていただきました。

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ー入社後、デザイナーとして活動していた期間の印象的な出来事はありましたか?


奥田

ドラマのオープニングのアートディレクションをさせてもらえたことですね。「知らなくていいコト」、「DIVER」のオープニングは、自分のやりたいことをやりつつ、クライアントにも納得してもらえた作品だと思っています。過去のストイックな現場での撮影や、チーム一丸となって仕事をした時の経験が役に立ち、積み重ねてきたものが通用すると思えた仕事でした。それを視聴者の方に見てもらえたのはとても嬉しかったです。


ーどんなことがモチベーションになっていますか?


奥田

この仕事に携わり始めた頃は、パソコンの中で映像を作っている時が楽しく、作業に没頭する時間が単純に好きでした。作り終えた時の達成感が、モチベーションになっていたんだと思います。ディレクターとしての仕事が増えた今では、共にものづくりをする方々はもちろん、その先にいる映像をみてくれる人のことも考えて映像を作るようになり、映像への反響をいただくことも自分のモチベーションにつながっているなと感じています。

自分の携わった作品が今後人や社会のために何かいい影響を与えられたらいいなという想いが、自分の中で大きな要素になってきていますね。

ー今ではチームをまとめる役割になりましたが、働き方に変化はありますか?


奥田

デザイナーとして働いている間にも、先ほどあげたアートディレクションのような、自分で方向性を決めるお仕事が増えてきていたので、それほど大きな変化はなかったですね。

クライアントと話をして、自分が作りたいものに責任を持つのがリーダーの役割だと以前は思っていましたが、自分のチームを作る、メンバーを育てることも仕事の1つだなと、最近改めて気がつきました。どんな仕事に対してもモチベーション高く気持ちよく働いてもらった方が、より良い能力が発揮できると思います。チームメンバー全体をケアすることによって、最終的にはクライアントも喜んでもらえるというところに繋がっていく。映像作りに関わった人の中で損をする人が一人でもいると、勿体無く感じてしまうんです。できるだけフラットに、「全員が嬉しい」を目指して仕事をするのが、最近の僕の目標です。


ーチームはどんな雰囲気ですか?


奥田

上下関係はもちろんありますが、かなり砕けた部活のような雰囲気ですね。僕のチームには、イラストが得意でコミカル・可愛らしいモーションが得意な髙橋と、テーマや全体の世界観を定めるのが得意で、アートディレクションに強い佐藤がいます。それぞれの適材適所で仕事に携わってもらうことで、実力を十分に発揮し、やらされている感覚ではなく自主的に仕事ができるように心がけています。

ーディレクターとして携わった中で、印象的な作品をあげるとしたらどの作品でしょうか?


奥田

以前EDP+の記事に掲載してもらった「TeamSpiritや、worksに掲載されている「Laundry」ですね。最近だと、TOYOTAさんのTwitterに投稿されている「TOYOTA SDGs movie」、よなよなエールの新商品「裏通りのドンダバダ」のプロモーションムービーもとても印象的でした。

今挙げた作品はどれも、ディレクターとして携われただけでなく、関わったスタッフ全員で話し合い、一緒にこだわって作ることができた映像です。修正1つにしても、なぜそこを直さなきゃいけないのか、意図を聞いて理解した上で修正しています。作り手だけでなくクライアントも巻き込んで、「一緒に面白いものを作りましょう!」という意気込みでできたものは、見返すとどれもいいなと思いますね。

「裏通りのドンダバダ」プロモーションムービー

ー仕事でコミュニケーションを取る際に、何か心がけていることはありますか?


奥田

誰かがこだわりたいと思ったところには、僕らも全力で応えたいと思っています。特に、こだわりを直接聞けたときは、やはり本気で打ち返したくなります。できるだけ意図を汲み取れるようなコミュニケーションの取り方、一方的に連絡が来るだけじゃない、相互で意見交換ができるようなコミュニケーションを心がけています。

そのためには、僕だけがそのような働き方をしていてもなかなか上手くいかなくて。今のチームで良い作品が作れているのは、互いの意見を出し合える、「共創」できる環境を作れているおかげだと思っています。先ほど挙げた「裏通りのドンダバダ」や「TOYOTA」は、「作品のためにできることは全てやろう!」という意気込みをチーム全員が持って作っているんです。もちろん、事前に「過剰だったら遠慮せずに教えてください。修正します!」と伝えていて、その上で最大限にチャレンジしています。より良いものを作るための関係性を築くことは、社内外関係なく大事なことだと思います。

ー今後はどんな映像を作っていきたいですか?


奥田

ジャンルや表現手法にこだわらず、みんなで楽しく作れるものだったらなんでもやりたいと思っています。作り手が全員楽しいと思って作っていることは、元来の映像づくりの体制には珍しく、すごく現代的で新しいと思うんです。前で挙げた「TeamSpirit」も、一般的にはBtoBの商品説明映像に採用されにくいような珍しいタッチのイラストでしたが、全員で意見を出し合えたからこそ、今の形に繋がっています。

せっかくなら楽しくものづくりをしたいので、僕と同じ想いを持っている方はぜひ一緒に何か作りましょう!

本インタビューを通して、弊社ディレクター・奥田のチームでの妥協しない働き方や「プロジェクトに関わる人全員が嬉しくなる仕事を目指す」という想いを聞くことができました。ユーザーのために最大限チャレンジがしたい、楽しくものづくりがしたいという方は、ぜひEDP graphic worksと一緒に映像を作ってみませんか?

Interviewee  奥田 祥生 (EDP graphic works Co.,Ltd.)

Photo     谷口 大輔

Text     大野 泰輝 、柴田 綾乃 (EDP graphic works Co.,Ltd.)