EDP+
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2022/06/13Philosophy

ホームページリニューアルに込めた「EDPらしさ」

EDP graphic worksは、2021年12月にホームページをリニューアルいたしました。今回新たなホームページを作成するにあたり、デザインチームSemitransparent Design様と一緒に、EDPらしいホームページを追求しました。そんなリニューアルの過程や裏話を、Semitransparent Design代表 田中 良治様と同社ウェブデザイナー 有本 誠司様、EDP代表 加藤 貴大、EDP コーポレイトデザイナー 鈴木 絢香に伺いました。

ーホームページ(以下HP)リニューアルのきっかけや目的を教えてください。


EDP graphic works 加藤 貴大(以下加藤)

EDPはこれまで、働いている人や会社の情報をあまり表に出さず、HPもポートフォリオ機能がメインになっていました。2020年は会社の変革期でもあり、会社の目指していきたい方向性を詰める中でHPをリニューアルをしようとなりました。以前よりSemitransparent Design(以下セミトラ)さんのことは、素晴らしいものづくりをしている会社だと知っており、いつかお仕事をご一緒したいと考えていました。そんな中、銀座グラフィックギャラリーの企画でセミトラの田中さんと鼎談をする機会があり、それが契機となり今回ご相談させていただきました。


EDP graphic works 鈴木 絢香(以下鈴木)

これまで業務を通して、様々な会社のウェブサイトを見てきましたが、掲載されている内容も会社によって様々で。会社の情報をオープンにしているところもあれば、ウェブサイトのデザインは洗練されているけど情報が少なく、どういう人と仕事をすることになるのかわからない為不安に思うこともありました。その実体験から、HPをリニューアルする際には、映像を初めて作る人でも安心して問い合わせがしやすいよう情報を発信していこうと考えていました。


ーEDPに対してどのような印象を持っていましたか?


Semitransparent Design 田中 良治(以下田中)

前々からスタイリッシュで素敵な作品を作られていると思っていました。実際にHPのリニューアルについて話を進めるうちに、普段から映像の作成過程について詳しく知らない方とも話す機会が多いということもあるのか、思考の言語化が上手く企画の要点をわかりやすくまとめていただいているなという印象を持ちました。


Semitransparent Design 有本 誠司(以下有本)

最初に話をお伺いした段階から目指していく方向性がしっかりと練られていたので、HPにおける指針を把握でき、そこからどのように打ち返せば良いかを社内で話し合うことができました。


田中

話し合う中でも、いただいた企画書を設計図としてその通りにデザインするのではなく、私たちなりに解釈し、どうしたらHPを訪れたユーザーに効率的に情報を伝え、さらにHP自体を面白くすることができるのかと考えていました。

ー新しいHPではこれまでの課題を解決するためにどのような要素を入れましたか?


加藤

リニューアルするHPでは、「映像を作った経験がない人でも見たら頼める」ということを念頭に置いて、そのような方も安心感を持ってEDPに相談できるよう全体のディレクションを行いました。ただ、HPはEDPのブランディングとしても重要なパートを担うため、チープな印象になりすぎないようには注意していました。


鈴木

私は、今加藤が言った全体の方向性を元に、映像を作った経験がない方が欲しい情報は何なのかを考え、コンテンツを具体的に決めていき企画書と仕様書を作成しました。リニューアルするHPでは、デザイナー個人に焦点を当てていきたいという会社の方針があったため、Memberページを新たに作成しています。実際に依頼した際にどんな人と仕事をするのかという不安を抱く人もいると思うので、クライアントとやりとりをするEDPのディレクターやデザイナーをこのページで紹介しています。EDP+は、初めて映像を作る方でも安心して相談をしていただけるよう、「EDPで働くメンバーはどのような思いやこだわりを持って作品を作っているのか」を伝えるコンテンツになっています。クライアントとの対談記事も多く公開しており、映像を作る工程を具体的にイメージしてもらえるように心がけています。


田中

ウェブサイトを作る際、ネット上にあるメソッドに当てはめようとして作ろうとする方も多くいますが、実体験を元にしたユーザー目線で各ページを企画されていたので、共通のゴールに向けてお互い全力でアイディアを出し合えました。最終的な成果物のクオリティはもちろん、作るプロセスもより生産的なものになったんじゃないかと思います

EDP

ー実際のデザインをする段階ではどのようなことを意識していましたか?


田中

EDPが会社、またそこで働くデザイナーについてオープンにしていこうとしているので、これまでの良さを保ちつつ、情報をわかりやすく伝えていけるよう工夫しました。


鈴木

作っていただいたデザインを途中で拝見した瞬間に、心を掴まれましたね。EDPから最初にお渡ししたデザイン案は加藤が作りましたが、どうしても”これまでのEDPらしさ”に引っ張られてしまうところがありました。それらを取り払った本質がレイアウトに表現されていながら、最初にお伝えしたHPの希望はしっかりと体現されていて。セミトラさんに頼んでよかったと改めて思いました。

田中

企画書で最低限守らないといけないことが明確化されていたので、それ以外の部分では自由な発想で提案していくことができたのが、結果につながったのかなと思います。


加藤

僕たちも映像を作る際に、同じことを思うことがよくあります。最低限の条件は守りつつ自由なアイデアをぶつけ合えた方が、より良いアウトプットに繋がることが多いですね。リニューアルしたHPのデザインに関しては、ウェブデザインのプロであるセミトラさんにお任せできて感謝しています。

ー画面の右下に文字のサイズ変更や削除ができるなどのギミックを取り入れていますがどのような意図がありますか?


鈴木

最初のお話の際、「遊び心」も要素として入れたいとお伝えしていました。実際に、EDPは普段の映像作品でもクライアントの目的・結果にコミットするだけでなく、クライアントの先のお客様が喜びそうなちょっとした遊び心を入れたり、EDPならではの視点を入れてみたりと、より良いものを作ろうという精神を持っています。そうする事で、かっこいいだけでなく親近感の持てるものや、コミカルな雰囲気のものなど幅広いテイストの作品を作ることができているのではないかと自負しています。そのニュアンスをHPにも取り入れたいと思いました。


田中

当初、トップページに動く要素を入れるなどのアイディアをいただいていましたね。ただ、どうしてもコーディングでそういった動きを付けると、映像と比較しもっさりとした動きになってしまい、普段から洗練された映像を作られているEDPさんのHPにはマッチしないのかなとも思っていました。なので、もっと違うところに遊び心を入れられないかと試行錯誤した結果、文字サイズというところに落ち着きました。ダサくなりがちな文字サイズの変更も、ギミックとEDPさんのクオリティが高い作品とを合わせる事で、作品の良さを際立たせる事ができると思いました。大きい文字サイズのほっこりとしたデザインから、文字をなくすことでビジュアルのみとするシンプルなデザインまで、文字だけで様々な雰囲気に変更できるようになっています。


有本

役所などの公的機関のウェブサイトではユニバーサルデザインを意識し文字サイズの変更ができることもあるんですが、文字サイズを変更するとレイアウトが崩れてしまうことが多々あるんです。掲載される作品の高いクオリティに合わせ、どのレイアウトにしてもバランスが崩れないようにすることは特に意識しましたね。


鈴木

文字のサイズや有無で雰囲気が変わるだけでなく、ユニバーサルなデザインにもなっていて、様々な方に歩み寄っている印象を持てて素敵だなと思いました。

EDP

ー実際にHPをリニューアルした反響はいかがでしたか?


鈴木

公開してすぐにお褒めの声をたくさんいただきました。文字を消す事ができたり、一度ページを閲覧するとそのサムネイルの上に丸が表示されるなど、操作をしていくうちに発見するようなギミックもあり、アクセスするたびに新しい発見がある、素敵なHPにしていただいたなと思います。


田中

こういったギミックがあると話も広がりますよね。実際にHPを訪れたユーザーに操作しながら楽しんで欲しいですね。


加藤

わかりやすさばかりを追求したHPにすると、薄利多売な印象になってしまうと思い、不安な部分もありましたが、作っていただいたHPはちょうどいいバランスになっていますよね。情報をきちんと説明しながらも、これまでのアーティストのポートフォリオのような印象も残してあるのが、社内からも好評だった要因ではないかと思ってます。

EDP

ーEDPのHPのリニューアルを通してどのような感想を持ちましたか?


田中

僕たちは、「ユーザーが操作したくなるような仕掛けやレイアウトを、いかに形にしていくか」ということを、常日頃から追求しています。映像は見ていることで感動を作っていく、どちらかというと受動的なコミュニケーションの取り方で、ウェブサイトとの違いを今回改めて感じました。ウェブサイトの良さはユーザー自身の操作によって感動が生まれることで、今回はそれがうまく散りばめられたのではないかと思います。


有本

今回のようなポートフォリオ機能を含めたウェブサイトは、どうしても更新が後回しになりがちですが、EDPさんは頻繁に更新されるので定期的に見ています。HPという器をデザインし、今後それがどんどんアップデートされていくのは嬉しく、作ってよかったなと思います。


鈴木

これまで言語化されていなかったけれど、なんとなくEDPの人たちが共有しているEDPらしさというものに今回正面から向きあいました。会社の思想やブランディングを理解し、核の部分は変えず、今必要な形にリニューアルするという貴重な経験をさせてもらったなと思います。そして、素敵なHPに仕上げてくださったセミトラさんに感謝の気持ちでいっぱいです。


加藤

着手した頃は「新しいHPが社内外でどのように受け入れられるのか」と漠然とした不安がありました。これはウェブサイトに限らず、僕たちに映像作りを依頼してくださる方も同じ気持ちかもしれないですね。ですが、お互いに意見を出し合えたことで、最終的にいいところに着地することができたと思います。いいものを作っていただいた安堵感もありつつ、ここからが僕らにとってのスタートラインでもあるので、HPをアップデートしていきたいと思います。

映像作りを依頼するとき、漠然とした不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?EDPはそのような方々の気持ちに寄り添い、映像作りのプロフェッショナルとしてソリューションを提案していきます。これからも期待を超える映像を作り続けるため、EDP graphic worksはアップデートを続けていきます。

田中 良治(たなか りょうじ)


ウェブデザイナー/セミトランスペアレント・デザイン代表。同志社大学工学部/岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー卒業。企業ブランディング、広告の企画・制作から国内外の美術館・ギャラリーでの作品展示までウェブメディアを核としながら様々なメディアで活動。主な活動に、「オープンスペース」2008、2015/NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]、「tFont/fTime」/山口情報芸術センター[YCAM]、セミトランスペアレント・デザイン「退屈」/ギンザ・グラフィック・ギャラリー、「光るグラフィック展」1、2/クリエイションギャラリーG8の企画・キュレーションなど。’15年JAGDA新人賞、’17年、’20年JAGDA賞、’21年亀倉雄策賞受賞。武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授。

有本 誠司(ありもと せいじ)


ウェブデザイナー、桑沢デザイン研究所を卒業し2012年セミトランスペアレント・デザインに入社。デザイン/コーディングを担当している。

 

 

Semitransparent Design™

http://www.semitransparentdesign.com/


2003年設立。ウェブサイトの企画・制作からグラフィックデザイン、国内外の美術館・ギャラリーでの作品展示までをおこなっている。主な活動にセミトラインスタレーション展「tFont/fTime」(山口情報芸術センター[YCAM])、「光るグラフィック」展(クリエイションギャラリーG8)企画、「セミトランスペアレント・デザイン退屈」展(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)、オープンスペース2015(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC])への参加などがある。D&AD Yellow Pencil、New York ADC Gold、CLIO Award Gold、ロンドン国際広告賞金賞、JAGDA新人賞、亀倉雄策賞を受賞。

Interviewee  加藤 貴大鈴木 絢香 (EDP graphic works Co.,Ltd.)

Photo     谷口 大輔

Text     大野 泰輝 、柴田 綾乃 (EDP graphic works Co.,Ltd.)