デザインを使って何しよう?!- 多種多様な個性あふれるEDP graphic worksのデザイナー [1/2]
EDP graphic worksではイラストを得意としたデザイナーが多く在籍しています。今回のEDP+は、そんなデザイナーのイラストにかける思いを2回に分けて紹介します。第一弾では、バラエティ豊かな引き出しからサービスに合わせたイラストを提案する、EDPデザイナー野村 千朝、岡本 莉子、小池 紅子が登場。
愛嬌あるデザインで感情に訴えかける
野村 千朝(のむら ちあさ)
Art Director / Motion Graphic Designer
2018年からEDP graphic works に参加。アートからグラフィックデザイン、写真まで幅広い関心があり、愛嬌のあるデザインを武器にアートディレクションを行う。
ーEDPに入社するまでの経緯を教えてください。
EDP graphic works 野村 千朝(以下野村)
私は、専門学校でデザインについて学びました。最初の1年間は、グラフィックデザインやプロダクトデザイン、アニメーションなど幅広くデザインに関して学んでいました。その中でも、平面デザインに特に興味があったため、2年目以降はグラフィックデザインと写真について勉強しました。卒業する頃はまだ方向性が定まっておらず、全く別業種の企業へ入社しましたが、ものづくりに携われる仕事がしたくなり、中途採用でEDPに入社しました。
ーご自身のデザインが活かせた作品はありますか?
野村
EDPでのお仕事ではないですが、ロックバンドDortmund Moon Slidersさんの「Jubilee」のミュージックビデオは、バンドの雰囲気や映像のトーンを考慮しながら背景デザインとモーションを担当した私らしい作品にできました。色味は特にこだわっており、バンドのクールな印象は残しながらも、レトロで可愛い雰囲気にしました。
野村
またアートディレクターを担当させていただいた株式会社ラクスのRakuraku Hanbai / RAKUS Co., Ltd.は私の強みが活かせた作品になりました。見る人の属性にかかわらず愛らしさを感じるイラストに意識したことで、誰もが自分ごととして見てもらえる映像にできたと思います。
ー既存のサービスや製品をデザインする上で意識していることはありますか?
野村
デザインでは、親近感や明瞭さと同時に新鮮さも求められていると思っています。クライアントが求めるテイストは意識しつつ、一視聴者として見ても「かっこいい」と思えるデザインになるよう、俯瞰して見るように心がけています。また、モーションをつけるところまで考慮してデザインをすることで、映像にした時により視聴者の感情に訴えかけられるようにしています。
ーEDPでデザインしたイラストにモーションをつけるのと、いただいたイラストにモーションをつけるのにはどのような違いがありますか?
野村
デザインを誰がするかに関わらず、動かすデザインに性格付けをして命を吹き込むようにモーションをつけるようにしています。自分でデザインしたイラストはキャラクター付けがスムーズにできるため、その分自然なイキイキとした動きになっているかと思います。
ーデザイナーとしてチャレンジしたいことはありますか?
野村
自分の世界観を確立して、その上で依頼をいただけるようになれればと思っています。そのためにもフットワーク軽く様々な経験を積み、感じたことを大切に、生まれるアイディアをアウトプットにつなげていければと考えています。
映像に映えるキャラクターデザイン
岡本 莉子(おかもと りこ)
Motion Graphic Designer
三重県生まれ。豊富なテイストのキャラクターデザインを強みに、アートディレクションも務める。
ーEDPでデザイナーとして働くまでの経緯を教えてください。
EDP graphic works 岡本 莉子(以下岡本)
高校では美術系の学校に通っており、大学生になってから本格的にグラフィックデザインについて学び始めました。大学では、グラフィックデザインを印刷物に落とし込む課題が多かったのですが、モニター画面に映るイラストに惹かれることが多く、また自分のイラストを動かしてみたいと思いコマ描きのアニメーション作品を作るようになりました。映像関係の就職先を探す中、EDPを求人サイトで知りデザイナーとして入社しました。
ーご自身のデザインが活かせた作品はありますか?
岡本
origami Home Sessionsのトラックを使ったコラボムービーは、制約なく表現をすることができたため、私のイラストを前面に出した作品にできました。この作品は、キャラクターが真ん中を歩いているという共通のテーマで、異なるEDPのデザイナーが1人1シーンずつ担当し、それぞれを繋げた映像が展開していきます。入社したばかりのころはクライアントの要望と私の好きなテイストをうまく織り交ぜることができていませんでしたが、オリジナルワークのこの作品では、好きなテイストのイラストを活かして映像にすることができました。
岡本
また、HiTTOは、私の得意な人物デザインが活かせた作品になりました。チームリーダーの稲田さんのメインビジュアルを元に、私は映像用にデザインパーツを作りました。映像が2分弱あるため、アテンションを入れたり、色を途中で反転させることで、絵的な変化をつけて展開を見せられるように意識しました。サービスが便利な分、複雑で混沌としがちなSaaSの説明ムービーですが、柔らかなトーンのイラストにしたことで親しみやすい映像にできました。
ー既存のサービスや製品をデザインする上で意識していることを教えてください。
岡本
最初のオリエンテーションで、クライアントの要望を把握できるようにしています。自分の中でしっかりと咀嚼し理解することで、的確なデザインの提案ができます。また、実際に映像用にイラストをデザインする際には、同じトーンのデザインを量産する必要があるので、線や影の付け方などイラストの特徴を踏襲してデザインするようにしています。
ーEDPでデザインしたイラストにモーションをつけるのは、いただいたデザインにモーションをつけるのと、どのように異なりますか?
岡本
EDPにデザインから依頼をいただく場合は、静止画でも十分に表現したいことが伝わることを意識しています。その為、映像を途中で止めてもグラフィックデザインとしてかっこいいと思えるようなデザインになります。
ー今後どのようなプロジェクトに関わっていきたいですか?
岡本
アートディレクションから任せていただける案件を増やしていきたいと考えています。現在、アートディレクションを担当させていただいているプロジェクトがあるので、今は全力でそのプロジェクトに向き合いたいです。
柔軟な表現力でデザインする
小池 紅子(こいけ べにこ)
Motion Graphic Designer
新潟県生まれ。2020年に新卒で入社。様々な表現方法に挑戦しながらクライアントにベストな手法でサービスデザインを行う。
ーEDPでデザイナーとして働くまでの経緯を教えてください。
EDP graphic works 小池 紅子(以下小池)
私は、大学では視覚デザインについて学びました。そこでは、商品パッケージのデザインやエディトリアルデザイン、写真など、グラフィックデザインに関して幅広く学びました。その中でモーショングラフィックデザインについて学ぶ機会があり、自分のグラフィックデザインを自在に動かすモーショングラフィックデザインに惹かれ、EDPに新卒で入社しました。
ーご自身のカラーが表現できた作品について教えてください。
小池
大学時代の作品になりますが、線と面の2連で作ったポットのグラフィックはグラデーションや線の色使いなど良い表現ができました。またそれら学生時代の作品をまとめた作品集のデザインは、自由に個性を発揮できる場で楽しく取り組むことができました。エディトリアルや装丁など面白いと思えるものになりました。
小池
また、見守りセンサー「Tellus」のプロモーションビデオは、サービスイメージと私のイラストを上手く織り交ぜることができた作品です。介護施設で働く人にサービスを紹介する映像ということを意識し、デザインのディテールにもこだわりながら優しい雰囲気になるようメインビジュアルのデザインを担当しました。チームメンバーにデザインパーツを作ってもらう際には、他の角度からのイメージも共有し、デザインするメンバーによってトーンが変わってしまわないようにしています。また、2Dベースの映像に3D要素を織り交ぜたことで、それがアクセントになり映像に変化をつけることができました。
ー既存のサービスや製品をデザインする際に意識していることを教えてください。
小池
クライアントの要望や商品・サービスの特性を理解した上で、それを表現するにはどういったデザインが最適なのかを考えるようにしています。柔軟なデザイン力が私の強みなので、クライアントの特徴にあった表現を提案できるようにしています。
ーEDPでデザインしたイラストにモーションをつけるのと、いただいたイラストにモーションをつけるのに違いはありますか?
小池
いただいたデザインでもEDPでデザインした場合でも、クライアントがどういったトーンのモーションを求めているかを考えながらモーションをさせます。そのため、両者に違いはあまりないかと思います。
ー今後デザイナーとしてどういったことに取り組んでいきたいですか?
小池
学生時代に挑戦した表現方法で、自分のものとして消化できていないものがあります。これらにしっかりと向き合い自分のものにすることで、デザイナーとして提案できる幅を広げ、レベルアップしていきたいと考えています。
また、社会的弱者と言われる方を支援する活動に関心はありましたが、これまで具体的なアクションを起こすということはできていませんでした。誰もが生きやすい社会の為に、デザインすることで寄与できればと思います。
EDPには、得意なイラストを用いて、見る人の心を惹きつける映像を作るデザイナーが多数在籍しています。次回7月7日に公開予定の第二弾では、個性豊かなイラストで映像をユニークにデザインする宮内と髙橋にインタビューを行います。
Photo 谷口 大輔
Text 大野 泰輝